長良川

 
 

長良川(ながらがわ)は、岐阜県郡上市の大日岳を源流に、三重県を経て伊勢湾に注ぐ木曽川水系の一級河川である。濃尾平野を流れる木曽三川(木曽川、揖斐川)のひとつで、旧名を墨俣川という。なお、下流の一部では愛知県にも面し、岐阜県との県境を成している。

清流として有名であり、柿田川、四万十川とともに日本三大清流のひとつと言われ、中流域が1985年(昭和60年)に「名水百選」に、また1998年に水浴場55選に、2001年に水浴場88選に選定される。年間総流量は約40億m3である。「鵜飼い」で有名。

かつては河口附近で木曽川・揖斐川と合流・分流を繰り返していたため、木曽川の「支流」という扱いになっていたが、現在は堤防によって河口まで流路が分けられている。また中流域の岐阜市長良福光で長良古川と長良古々川が分派していたが、昭和初期に行われた工事によって締め切られ現在の姿となった。締め切りによって生まれた広大な土地には岐阜メモリアルセンター、県立岐阜商業高校、岐阜北高校など文化施設や教育機関が多数建てられ、現在の岐阜市の発展の一助となった。

旧海軍に、この川から名前をとった「長良」という軽巡洋艦(長良型1番艦)がある。また東海道本線を走る夜行快速にも「ムーンライトながら」の名が採られている。

歴史

1976年9月12日 9.12豪雨。長良川下流部(安八郡安八町)で堤防決壊。死者1名。(台風17号)
1995年7月6日 長良川河口堰運用開始。
1999年9月15日 長良川上流部(岐阜県白鳥町、当時)で堤防決壊。(台風16号)
2002年7月10日 長良川上流部(岐阜県白鳥町)で堤防決壊。(台風6号)

長良川河口堰(ながらがわかこうぜき)は、三重県の長良川の河口部に治水と利水を目的に作られた堰(河口堰)。

その建設に当たり、利水や治水の観点から建設を望む声がある一方、長良川の生態系や漁業などへの悪影響などが懸念され反対運動が起こり、建設の是非をめぐる論争が発生した。この論争は、単なる「開発」か「環境」かという論点をこえて、誰がこの問題の「当事者」足りうるのかという、税金を使う公共事業のあり方、河川管理や産業振興、環境保護のあり方についての論点を提起することにもなった。